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電子部品とスクリーン印刷業界

様々な専業メーカーが関わる印刷業界

スクリーン印刷の基礎
技術情報-15

日本のスクリーン印刷業界は複数の専業メーカーによって構成される少し複雑な構造をしています。

スクリーン版ができるまで

アサダメッシュは織機を使って極細線をメッシュに製織する金属メッシュメーカーですが、材料となる極細線は専業の伸線メーカーから入手しています。極細線は、母材メーカーの高度な溶解技術により製造された高純度のステンレス鋼を、線径数~十数マイクロメートルまで伸線されます。アサダメッシュの金属メッシュは製版メーカーによりスクリーン版に加工されますが、そのスペックはミクロンまたはサブミクロン単位で管理されるため、高度な技術が求められます。この高精度なスクリーン版を使って、前述のさまざまな電子部品がスクリーン印刷により製造され、世界中で使用されています。

電子部品メーカーとスクリーン印刷業界の成長

戦後のラジオ部品の量産を皮切りに、日本の電子部品は、テレビやゲーム機、パソコン、スマートフォンなどの普及とともに、右肩上がりで成長してきました。コンデンサ、抵抗器、インダクタなどを筆頭に日本の電子部品は、現在でも世界シェアを30%以上で維持し、生産額は3兆円を超える規模となっています。これらの電子部品は、半世紀以上に亘り、部品の高性能化や小型化が推し進められてきましたが、その製造工程の多くにスクリーン印刷が採用されてきました。諸外国と比較し、日本のスクリーン印刷技術が卓越している原因の一つに、国内に優良な電子部品メーカーが数多く存在していたということが挙げられます。日本の電子部品メーカーの成長と共に、日本のスクリーン印刷業界も発展してきたと言っても過言ではありません。

スクリーン印刷業界の流れ