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スクリーン版の作り方とは

スクリーン版を作る工程について

スクリーン印刷の基礎
技術情報-13

スクリーン版は、紗張り→前処理洗浄→乳剤塗布→露光→現像という手順で作られています。一つずつ見ていきましょう。

1. 紗張り

紗張りとは、メッシュを縦横に引っ張り、所定のテンションで枠に貼り付けることです。スクリーン印刷では版と基板にギャップ(クリアランス)を取ることで、スキージ通過直後、版が基板から引き離されます。(版離れ)紗張りのテンションの強さで、版離れの善し悪しが決まり、印刷品質にも影響します。

2. 前洗浄

前洗浄とは、紗張り後、メッシュ表面に付着したホコリや異物、油分を洗浄で除去することです。対象となるのは、ホコリやメッシュの製造工程で使用される潤滑油、機械や線材の摩擦によって発生する金属粉などで、メッシュ製造工程における洗浄だけでは完全に除去しきれず製品に残っているものです。

3. 乳剤塗布

乳剤塗布とは、感光性乳剤をメッシュ全面にコーティングすることです。メッシュの開口部分を乳剤で埋めた後、乳剤の厚みが狙いの厚みになるまでコーティングを繰り返します。乳剤の厚みは印刷膜厚や印刷解像性に影響を与えます。

4. 露光

露光とは、印刷したい画像を版に焼き付けることです。フォトマスクとはPETやガラスなどの透明の基板上に遮光パターン(画像)を形成した原版です。フォトマスク内に透過エリアと遮光エリアが形成されます。フォトマスクを通して感光性乳剤に光を照射すると、乳剤に光が当たった透過エリアだけが硬化します。

5. 現像

現像とは、光が当たらず硬化しなかった乳剤を除去し、画像を可視化させることです。スプレーガンを使って霧状の水を版に噴射します。乳剤でマスキングされた部分とメッシュが露出された部分に分けられ、スクリーン版が完成します。