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メッシュの役割とは

スクリーン印刷のメカニズムを支えるスクリーン印刷における金属メッシュの役割

スクリーン印刷の基礎
技術情報-16

近年、スクリーン印刷は急速な要素技術の向上により、様々な分野で50µm以下の細線が量産で印刷され始めようとしています。汎用性が高いことで知られるスクリーン印刷ですが、そのメカニズムを支えているのが「金属メッシュ」です。スクリーン印刷における金属メッシュの役割を紹介します。

1.乳剤の保持

スクリーン版のパターンはメッシュに塗布された乳剤を露光と現像によりパターニングして形成されます。そのパターニングされた乳剤をメッシュにしっかり固定し、保持し続けなければなりません。つまり、乳剤開口部が微細なファインパターンほど細かいメッシュを選択する必要があります。

2.張力の付与

スクリーン印刷は、メッシュ(スクリーン版)と基板の間にすき間(クリアランスといいます)を設けて印刷するオフコンタクト印刷です。スキージで押されたメッシュは基板と接触し画像を転写、スキージ通過直後、メッシュの張力でメッシュと基板は引き離されます(版離れといいます)。メッシュの張力により版離れが起きるというメカニズムです。

3.膜厚のコントロール

印刷時、メッシュは膜厚を制御するスペーサーの役割を果たします。メッシュの開口部(メッシュ孔)に充填されたペーストが基板に転写されるため、メッシュの厚み増加に伴い、印刷膜厚も増加します。

4.印刷解像性の決定

印刷時、ペーストはメッシュ孔に充填、分割され、基板に転写され、レベリングします。ペーストのメッシュ孔による分割は、細かいメッシュほど微細に分割されるため、印刷の解像性が向上します。これは、デジタル画像や動画の解像度(ppi)が高いほど画質が良いという原理に似ています。

印刷解像性
豊富なラインナップから最適なメッシュを選ぶために

アサダメッシュのスクリーン印刷用のメッシュは、線径、メッシュ数、厚みといった一般的な規格のほか、製品のタイプ(材質)やバイアスカットなどが加わると数百種類以上という豊富なラインナップになります。一方で、これだけ多くの種類の中から「どの製品が目的の印刷を達成するのに最適なのか」を判断しなければならない時、スクリーン印刷におけるメッシュの役割 - つまり、「メッシュはどんな働きをしているか」について正しい認識を持っていれば、最適なメッシュを選択する際の一助となることでしょう。