Art Here 2025@ルーブル・アブダビ アートインスタレーション『雲の振付、影の舞い』
ルーヴル・アブダビで10月10日に開幕し、12月28日まで開催されるリシャール・ミル・アート・プライズ「Art Here 2025」の一環として、「陰影」をテーマとした5つのアート・インスタレーション及び建築パビリオンの設計を競う国際コンペティションにて、400件以上の応募から選出された“YOKOMAE et BOUAYAD ”様の作品に当社メッシュをご採用頂きました。

使用メッシュ:BA-162
■プロジェクトの背景
ルーヴル・アブダビで10月10日に開幕し、12月28日まで開催されるリシャール・ミル・アート・プライズは、Art Here 2025」の一環として、「陰影」をテーマとした5つのアート・インスタレーション及び建築パビリオンの設計を競う国際コンペティションを開催し、400件以上の応募から、YOKOMAE et BOUAYAD様の作品が選出されました。ゲスト・キュレーターのソフィー・マユコ・アルニ氏が構想を練り、建築家やアーティストたちは、アラブ文化と日本文化における「陰影」というテーマに応えようとしました。
このコンセプトは、光と不在、可視性と隠蔽性の相互作用、そして記憶、アイデンティティ、そして変容という重層的な次元を探求するものです。




以下、YOKOMAE et BOUAYAD様より作品解説
■プロジェクト概要
雲の振付、影の舞い
自然と同じように、光と陰影が刻々と変化する空間をつくる。
自然のなかにある雲や木々,枝葉が風にそよぎ,それによって絶えずうつろいゆく陰影は,大変美しく, 時に人々の心を動かします。
そういった刻々と変化していく風景や空間を建築空間として表現できないかと考えた。
大きな樹の下のようでもあり,大きな屋根の下のようでもある,自然と建築のちょうど中間にある状態を目指す。
パビリオンの隣にはルーヴル・アブダビの大屋根があり、それとは対照的なものをつくりだそうと考えた。
幾層にも重なった幾何学模様の屋根を通過する光、それと対を成すように風で動く、幾何学を持たない自由な形の屋根とその下で揺れ動く陰影。
全体の形状も球面ではなく、見る角度によって形状が異なる自由曲面の屋根。
アブダビの柔らかな風に揺らめく,超軽量ステンレススチールメッシュの屋根とそれらを支える6φ~12φの152本の極細柱によって、パビリオンは様々な形や模様,透明度のグラデーション,解像度をつくり,絶えず変様する。
また,柱の基礎に「起き上がり小法師」の考え方を応用し,基礎コンクリート底面を球状にして,柱の足元から自然物のようにゆっくりと動く構造体とした。
私たちは陰影がまるで踊っているかのような動きをすること,またその踊りの振付を行っているこのパビリオンを総称して,「雲の振付、踊る影」と名付けた。
■建築家について
YOKOMAE et BOUAYADは、日本人建築家の横前拓磨氏とモロッコ人建築家のボウアヤド ガリ氏が率いるアトリエであり、2023年に東京で設立された。アジア、アフリカ、中東地域におけるプロジェクトに取り組む国際的なアトリエ。本社は東京にあり、2025年からはモロッコも新たな活動拠点としている。小規模なパビリオン、展示会場、個人住宅から、中大規模の集合住宅やホテルまで、幅広いプロジェクトの設計を行っている。
2024年9月、YOKOMAE et BOUAYADは、仙台の音楽ホール・中心部震災メモリアル拠点複合施設公募型プロポーザルにおいて、75社の中からファイナリストに選出された。また、2025年6月には、ルーヴル・アブダビ内のアートパビリオンのコンペティションにおいて選出された。
■データシート
作品名:雲の振付、踊る影
建主::ルーヴル・アブダビとリシャール・ミル・アート・プライズ
所在地: Louvre Abu Dhabi, UAE
延床面積: 130.9 m2
建築:YOKOMAE et BOUAYAD
担当:横前拓磨, ボウアヤド ガリ(Ghali Bouayad)
構造:瀧本信幸
主体構造:ステンレススチールメッシュ、 ステンレススチールロッド、 独立基礎
製作・施工: Sun & Sea Advertising L.L.C.
ルーヴル・アブダビ ゲストキュレーター:ソフィー マユコ アルニ(Sophie Mayuko Arni)